ビスケットウォーマーは透かし細工の仕切りの下にビスケット(当時のビスケットはスコーンのようなものだと
思われています)を入れて、暖炉の前に置いて温めておくものです。
銀のティーポットをお使いになった方はお分かりと思いますが、一度厚くなった金属はなかなか温度が下がらず、
中のビスケットがいつまでも暖かい状態で楽しめるようにしたものです。暖炉の前で温め、庭のティーパーティ
ーや、ピクニックに持って行ったといいます。
ヴィクトリア時代にはアフタヌーンティーが上流階級で流行っていたため、このビスケットウォーマーをはじめ
として、ティーに関する銀器がいろいろ発明されました。
このビスケットウォーマーは、実用的、というよりもテーブルや庭で、美しい色どりを添えるものだったのでし
ょう。このお品のように内側にギルディング(金鍍金)が施してあったり、仕切りの透かし細工が非常に美しく
装飾されたものがあります。
また、産業革命の真っただ中に産声を上げた銀器らしく、 遊び心で、いろいろな仕掛けをつけて特許をとって
いるものもあります。
こちらのお品のように、内側の仕切りが二つのボウルの間にすとんと落ちて仕切りが倒れてこないようにするも
のや、開閉に摘みをつけて引っ張るのでなくボタンを押すと掛金が外れて開くようになっているものなど、こう
いう仕掛けは上流階級の人々のお茶の時間の話の種にもなったのでしょう。
ビスケットウォーマーは最近はリプロのものが出回ってくるようになり、古い上質のものが非常に見つけにくく
なりました。このビスケットウォーマーの製作者のBenetfink & Co. はビスケットウォーマーの製作者の第一人
者で、商品の質がとても高いので有名です。
ビスケットウォーマーは、上流階級やお金持ちのアフタヌーンティーのために作られたものなので、(暖炉の前
で火に当てるため、純銀のものはほとんどありません)元々そんなに多くは造られておらず、作られていた期間
も1850 年代から90 年代くらいまでと短いため、コンディションの良いものはどんどん少なくなってきています。
【サイズ】直径cm×高さcm
【年 代】1852 年から1861 年
【材 質】シルバープレート
【メーカー】BENETFINK & CO.
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商品番号 |
KAG0503 |
販売価格 |
0円(税込)
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在庫数 |
0 |
SOLD OUT
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